【今日は何の日】(6月11日 記念日)国立銀行設立の日のお題で創作小噺
国立銀行設立の日
1873年(明治6年)のこの日、日本で初めての銀行である第一国立銀行(現在のみずほ銀行)が設立されました。その後の5年間には、合計153の国立銀行が設立されました。
「国立」という名前が付いていますが、これはアメリカの「National Bank」を直訳したもので、「国法によって立てられた銀行」という意味合いです。しかし、実際には国が設立した銀行ではなく、民間の銀行でした。国立銀行は、設立順に番号を付けて「ナンバー銀行」と呼ばれました。現在でも、第四銀行や十六銀行、七十七銀行など、そのままの名称を持つ銀行が存在しています。
ある日、大蔵少輔と伊藤博文は、国立銀行の設立について熱心に話し合っていました。彼らは、アメリカのnational bankを参考にしながら、日本における国立銀行の仕組みや役割について考えを巡らせていました。
「国立銀行って、アメリカのnational bankのことだよね。国法によって立てられた銀行だから、国が設立して経営するんじゃないんだよね。」大蔵少輔が言いました。
伊藤博文は笑顔で答えました。「そうだよ!国が設立して経営するんじゃなくて、法律に基づいて設立されて経営されるんだ。それで金貨との交換義務を持つ兌換紙幣を発行するんだよ。最初は第一・第二・第四・第五の4行が設立されたんだけど、それ以降もたくさんのナンバー銀行が設立されていったんだよ。」
大蔵少輔は興味津々で尋ねました。「それって、数字のみの純粋なナンバー銀行ってまだあるの?」
伊藤博文は考え込んだ後に答えました。「現在、数字のみの純粋なナンバー銀行は十六銀行・七十七銀行・百五銀行・百十四銀行の4行だけだよ。でも、統合前の行名を含むナンバー銀行を合わせると、第四北越銀行と十八親和銀行も加わって6行が現存しているんだ。」
大蔵少輔は驚いた表情で言いました。「なるほど!ナンバー銀行って面白いね。でも、第八十二国立銀行って本当にナンバー銀行なの?」
伊藤博文はにっこり笑って答えました。「実は第八十二国立銀行はナンバー銀行ではなく、合併前の銀行の数字を足して名付けられた銀行なんだよ。なので、第八十二国立銀行とは無関係なんだ。面白い話だね!」
大蔵少輔と伊藤博文は笑いながら、国立銀行の設立についての話を楽しんでいました。彼らは、日本経済の発展にとって国立銀行が果たすべき役割や、銀行の信用と安定性の重要性についても熱心に議論していました。また、国立銀行の設立に伴い、金貨との交換義務を持つ兌換紙幣の発行方法やその信用性についても話し合っていました。
明治時代の日本では、国立銀行の設立によって経済の基盤が整えられ、近代的な金融制度が確立されていきました。大蔵少輔と伊藤博文は、そのような変革の一翼を担った先駆者たちとして、大いに語り合いながら、日本の経済発展に貢献していったのです。
おしまい!